繰り上がりでつまずくのは、なぜか
2 + 5 に答えられる子が 7 + 5 で止まるのは、数が大きいからではありません。繰り上がりを3つの手順に分けて見ると、どこで止まっているかが見えます。
「にがてな問題を多く出す」と言うのは簡単ですが、そのためには 何をもって にがて と呼ぶかを、数で決めておく必要があります。 そして、決めかたによって出てくる問題が変わります。
まちがえる。これがいちばん分かりやすい形です。けれど、 正解しているのに にがてということもあります。
2つ目が、記録を取らないと見えない種類のものです。10秒かけて正解した問題は、 成績表の上では1秒で答えた問題と同じ「○」になります。 紙のドリルが落としているのは、たいていここです。
3つとも 0 から 1 の範囲に直して、足し合わせます。このドリルが使っている重みは、 こうです。
正解率をいちばん重く見ています。まちがえるということは、まだ身についていない—— 速さや新しさより先に手当てすべきものだ、という判断です。 重みの置きかたがそのまま方針になるので、ここは感覚ではなく、決めて書いておく ところだと考えています。
3つ目の「日数」は、まちがえた記録が1つも無くても にがて度を押し上げます。 30日触れていなければ満点です。できていたことは、放っておけば落ちる—— 間隔をあけて復習する方法が前提にしているのと同じ考えかたです。
ただし、間隔反復のような本格的なしくみとは違って、ここでは 「次にいつ出すか」を計算していません。重みを少し上げるだけです。 1回10問という短い練習では、細かく間隔を管理しても、そのとおりに出せる回数がありません。
にがて度の高い順に素直に配ると、1回10問がいちばん苦手な1種類で埋まります。 効率はいいかもしれませんが、10問すべてが解けない問題という回を、 子どもは2度目からやりません。
だから2つ足してあります。1種類は全体の40%まで(10問なら最大4問)。 そして得意なものも重みを 0 にしない(最低 0.05 を残す)。 前者は飽きと心が折れるのを防ぐため、後者はできていたものが錆びるのを防ぐためです。
学習の設計は、正しさだけでは決まらないということでもあります。 続けられることが条件に入っている以上、最適な配分から少し外すほうが、 結果として多くの問題を解くことになります。
まちがえた問題は、そのままの形で覚えておいて、あとの回に混ぜ直します (1回の3割まで)。1発で正解できたときにだけ消します。 教わった直後に打ち直した正解では消えません——助けが要ったということなので。
同じ理由で、にがて度の材料に数えるのは1発目の回答だけです。 2回まちがえると正解を見せて同じ問題を差し込み直すしくみがあるので、 その打ち直しまで数えると、苦手なタイプほど正解率が上がるという逆の結果になります。 あれは練習であって、成績ではありません。
記録は90日で捨てます。無期限に持つと、半年前の1回のまちがいが、 いまの出題を曲げ続けることになります。
にがて度を測る前に、範囲を区切っています。1 + 1 と
48 ÷ 12 が同じ回に混ざらないよう、初級・中級・上級の3つの帯があり、
帯は重なりません(上級は下の帯を混ぜない)。
まだ一度も解いていない種類は、その帯の中にあるものだけ、控えめな重み(0.3)で混ぜます。 帯の中身は「その級で習うもの」なので、いきなり出しても筋が通るからです。 分けかたの全体は42種類の一覧にあります。
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かける順序を入れ替えた組を1つと見れば、覚える量は半分になります。最後まで残るのがどこかと、段ごとに分けて練習する意味。
□ + 5 = 12 は、たし算の顔をしたひき算です。解くには「=」を「答えを書くところ」ではなく、左右が等しいと読めている必要があります。
4秒と10秒という基準をどこから引いたか。そして、時間を測る練習が算数を怖がらせるという批判に、どう折り合いをつけたか。
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